底辺高専生の編入体験記

高専の編入について体験したこと、思ったことを書き連ねていくブログ。これから受ける後輩の励み、参考になれば幸いです。

東北大学大学院工学研究科機械系4専攻 合格

先日(2020年8月)、東北大学大学院の試験を受けて合格した。本稿はこの試験の備忘録である。

 

目次

1.記事の目的

2.他大の院へ進学する目的

3.勉強方法

4.試験当日

5.感想

6.現在

 

1.記事の目的

2つある。1つ目は筆者に近い学力を持つ者の参考になってほしいのと、2つ目は忘れないうちに実施したことを文字として残し、後から見返せるようにしたいからである。

前者について、このブログの自己紹介にも記載していたが筆者の高専在籍時での成績は下から数えたほうが早く、編入を考えられる学力ではなかった。周囲の人間の助けによって編入試験に受かるまで学力は伸びたが、編入をする覚悟が決まるまでは大きく時間を要した。これは学力が低い状態から合格を果たしたベンチマークとなる存在が周囲に存在しなかったためである。そのため、本稿によって「あんなやつでもできるんだ。」と感じ、後輩の挑戦のハードルを下げることができればうれしく思う。

後者について、これは単に今までブログを書いた経験から、後になって自分の考えを知るのが面白いと感じたためである。

 

2.他大の院へ進学する目的

2つある。1つ目は航空宇宙系の研究がしたかったのと、2つ目は大学内では周囲より自分の方が優秀だと感じることがあり、他大進学でそれを示すことができると考えたからである。

前者について、今まで生きてきた中で、私は再利用ロケットや探査ローバーが今まで誰もやったことのないことを技術で成し遂げてきたことに感動し、将来的にはそういった分野に関わりたいと考えていた。将来的に企業でこういう分野の仕事に携わるには大学時代から宇宙分野に携わることが必要だと考えたため、航空宇宙分野の研究室を有している他大学を志望した。他大学の中でも特に航空宇宙分野が盛んである東北大学に決めた。

後者について、私は実験などで同志社大学の学生とチームプレイをしてきた。その中で、優秀とは言い難い同期の存在を認識し、大学院に入って就活をする際にこういった同期と同列に並べられるのに嫌気がさしたためである。(もちろん私よりはるかに優秀で同志社大学の院に残った同期もいた。全員がそうとは全く言うつもりはない。)

 

3.勉強方法

これは時期ごとに示す。

・3年2月

漠然と他大学の院進学を考え始めた。まずは情報を集めることが必要と考え、他大学に行く先輩方がいないかを様々な研究室に聞いて回りコンタクトをとった。その際に勉強スケジュールを教えてもらい、過去問をいただいた。どの大学にいくにしても数学が必要であったため、勉強していなかった複素解析のマセマを解き始めた。

毎日3時間程度

・3年3~4月

名古屋大学を目標に過去問を解き始めた。わからない問題は友人と相談しながら答えを考えていった。また、TOEICが必要になってくると予想したため、TOEICの勉強も始めた。

毎日3時間程度

・4年5月

東京大学新領域創成科学研究科が魅力的に見え始め、過去問とTOEFLの勉強を始めた。

毎日3時間程度

・4年6月

このあたりで東京大学新領域創成科学研究科の試験が口頭試問のみになることが公表され、過去問の解けなさと相まって心が折れた。他の研究室を調べていくうちに東北大学が魅力的に見え、過去問を解き始めた。また、7月最初に同志社大学の院試があったためそれの勉強も始めた。

毎日5時間程度

・4年7~8月

ひたすら東北大学の過去問を解いた。3週したらさすがに問題を覚えたため途中から名古屋大学京都大学の問題を解いた。

毎日5時間程度

 

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Study plusで記録していた勉強時間

 

4.試験当日

3日間に分かれて、数学、専門科目、面接の試験があった。例年は5時間だったのが今年は3時間に圧縮された。

 

5.感想

他大を受けると決めた2月頃は東北大学名古屋大学程度なら受かるだろうと思っていたが、実際に受ける直前にはそんな自信は全くなくなっていた。コロナが院試に被っていたため、周りに遊んでいる人間がおらず勉強に集中できる環境だったのはよかったと思う。

 

6.現在

入ってから外部生の研究テーマの選択にギャップを感じた。研究室の研究テーマは教授の専門であることが多いが、研究室の目玉となっている教授の直属のテーマに外部生がつけることは少ない。これは私が入った研究室だけでなく同様に外部から東北大学に入った友人の研究室でもそうであった。

ギャップもあったが概ね大学院生活は満足している。周囲に向上心が高い人間が多く、非常に刺激になる。総評として、大学院進学はしてよかったと思う。

 

筆者は、高専4年夏の際に就職を漠然と考えており、自分が大学院にいくなど全く想像できなかった。こういうルートを取る人間もいるのだと、読者の頭の片隅に置いてもらえれば幸いである。

大学院は、勉強にかける時間と覚悟さえあれば、(成功バイアスかもしれないが)いくらでも狙うことはできる。迷ってる人間がいるならぜひ挑戦してみてほしい。